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“PRとデザイン”の接合点を考える(愛媛大学で講義をしました)

2025/06/15 / Author: 企画百貨

6月12日(木)、愛媛大学の教育学部 美術教育講座「デザインって何?」にて講義をしました。

きっかけは前職の同僚で、このWebサイトやロゴマークも手掛けてもらっているSmells good companyの髙橋柚実さんからのお誘い。

“「デザイン」という概念を広く柔軟に捉え、教育現場や社会との接点におけるその応用可能性について考えることが講座の目的”というハイコンテクストな投げかけをもらい、「関係づくりが情報流通をデザインする!?」というテーマをぶつけさせていただきました。

 

“情報発信”ではない、私たちの仕事の本質

講義でも触れたのですが、私たちの職能の本質は「情報発信」でも「話題づくり」でもないのではないか?と常に思っています。

もちろん認知を得るために情報発信は不可欠ですが、発信することは手段であり、いかにステークホルダーとの良好な関係を築くこと、そしてその先にある事業の成長やあるべき形の実現に向けた推進力を生み出すことが目的だと思っています。

そんな概念的な側面を感じてもらうため、PR/広報の実務論は一切取り除いて、目に見えないデザイン(関係づくりで情報流通が変わっていくこと)について深める講義を目指しました。

▲身近な例として「先生(メディア)からのおすみつきがあると関係性が変わるよね」の図

 

関係づくりの×情報流通の視点

関係づくりの視点をインプットした上で「その間に存在するメディアをどう活用するか?」「メディアと良好な関係構築をするためにはどんなコミュニケーションが求められるのか?」を解説しました。

もちろん昨今はマスメディアを介さない情報接触も多いです。でも実は、その情報の大元に戻ってみるとマスメディアが参照されていたり、自分が接したことがない業界専門媒体が発端となっていることもあったり。そんな目に見えない情報流通構造に想像を膨らませました。

▲「目の前のステークホルダーに直接働きかけるだけがコミュニケーションじゃないよ」の図

▲メディアとの関係を築く上で考えたい「相手が求めているものって何だろう」の図

▲実際の事例をまじえつつ解説しました(事例部分の表示はカットしています)

 

“目に見えないデザイン”をアウトプットしてみるワーク

概念的な理解から入ったので、それゆえの難しさがあったとは思いつつ、後半のワークショップでは講義のエッセンスをしっかり押さえたアイデアがいくつも出てきて、学生の皆さんの吸収力と視点に驚かされました。

▲商品そのものではなく成分をどのように認知・浸透を促せるか?を考えるワークショップ

 

普段取り組んでいるデザインにすぐ活かせることは多くないですが、誰かと何かを協働したり、より多くの人とプロジェクトを企画したり、といったシーンで少しでもヒントになればと考えています。

今回のテーマをいただいた時に、東京時代に“PR×デザイン”のカンファレンスの企画をしていたことを思い出しました。その時の頭の中と近い感覚で、異分野とどう接合部分を考えていくか?にあらためて向き合う機会になりました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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